結構やってるんだけどログを飛ばしたりなんだりしているので回収出来ただけ。あと普通に画像でやってるのもあったのでそれは飛ばしています。
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#いいねした人が1冊の本だとしたら最後の1行には何と書いてあるか考える
雲が薄らいで朝が来ることを伝えていた。けたたましいだけの鳥の声が一つの音楽のようにまとまって聞こえて、ただただ耳を塞ぎたいのにそれが出来ないことはもう分かりきっていたから。覚悟して目を開ける。残酷なほど鮮やかな朝焼けがこれから先こびりついて離れないのだろう。
食べることは祈ることだ、そう思えたのならきっと幸福なのだ。このまるい食卓の上を完璧と捉えるか、否か。それは自由というもので。手を合わせて箸を取って、日常とやらに没入していく。卵焼きの端が妙にカリカリに焼けているのが可笑しくてたまらないなんて言ったら、貴方は笑うのだろう。
きっと明日は雨が降る。そうしたらこの傘をさして出掛けたら良い。折角水溜りの素敵な飛び越え方を教えてもらったのだから。雨の音に紛れて跳ねてみせる私の横で紫陽花は一体どんな顔をしてみせるのか、とても楽しみだ。今晩は、良い夢が見れそうだった。
窓には誰かがぶつかった痕が残っていた。目に映るそれはこれがただの箱だと指し示すから、本当は行き先などないのかもと思わせる。漠然としたそれは不安になっても良いはずなのに、奇妙な空腹感へと変換された。まだ降りる駅には遠いけれど今日はきっと、寄り道をしても良い日なのだろう。
ビールの空き缶を積み上げても城にはならないことを知っているのに未だ繰り返してしまうのは、きっと私が欲しいのが硝子の靴やドレスの付随するものではなく、難攻不落の籠城に特化したものであるからなのだろう。所詮ないものねだりは同じで、だから私は再び空き缶を積み上げるのだ。
歩道橋の手すりが錆びているのに今更になって気付くのは、今までそれだけ興味がなかったからだ。怠惰と言われても仕方ない。気にすることも出来ないので下を見遣る。古いタイプの信号機の色は此処からでもよく見える。「ああ、」滑らせた手のひらに錆でめくれた欠片が刺さった。「赤だよ」
あの角を曲がったらすべてが元通りになる、と思った。息が信じられないくらい上がって、喉が痛くて肺なんて雑巾絞りにされたみたいで。それでも走る、それしかない。角を、曲がる。赤いワンピース。目に痛い。彼女が発する言葉を、私は知っている。「はじめまして、会いに来たよ。おかあさん」
暗い水槽には何も入っていないはずだった。思いつきのように端末の光を当ててみる。ぼう、と一瞬尾鰭が響(どよめ)いた気がして寂しさのようなものが過ぎった。其処には当然のように何もない。台所のシンクを打つ、水の音だけが夜を深めては私が融けるのを待っていた。待ってくれていた。
風が強く吹いて君はマフラーをぎゅう、と押し上げる。殆ど窒息に近く見えたけれども、言葉は見つからないまま。君の頬が、鼻が、赤くなる。眺めるのも違う気がして視線を落とす。点字ブロックは摩滅していた。止まらない急行を見送ることとこの黄色の必要性について、君と話がしたかった。
もう溶け切らない砂糖が底の方でぬらり、と狼煙をあげていた。悲鳴、と言っても良いのかもしれなかった。匙で掻き交ぜるのももう意味がないような心地になって持ち上げる。陶器のぶつかる音。…珈琲の、香りがしていた。そうなっても尚、それは珈琲でしかなかった。
雨垂れの音は未だしている。石を穿つまで待ち続けることの出来るものが一体どれほどいるのだろう。そんなものがいるとしたら、それこそ神だとか、そうして飾り立てられるようなものなのではないのか。シフォンケーキの甘い香りが口腔内に蘇る。何にせよ、解えを出すべき問いではなかった。
細いほそい一輪挿しが、すんと坐っていた。過去に何を誇ろうと未来に何を驕ろうと、今あるのはただの、からっぽの一輪挿しだった。騒がしい空間から切り離されたかのようなそれの口に指を滑らせると、まだ残っていた水が断末魔のように香りを立たせて、でも、それだけだった。
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#いいねしてくれた相互さんをイメージして小説の書き出し一文
この世界で何が武器になるのだろう、と考えることはあるけれど大抵何の答えも出ない。出ないほうが平和なのだと人は言うけれども、残念ながら、そうは、思えない。
紙パックに刺したしましまのストロー(珍しい!)を覗き込んだら、次の瞬間乳白色の雪原みたいな場所にいた。
「腹痛いんだけど」
「ビオフェルミンでも飲めば」
「効かない」
「じゃあイブでも」
「そういうんじゃない」
踵の石畳を叩く音を聞く。ああ奇麗だな、と思う。その下にも何かしらが息づいているのだと、知らせるような澄んだ音。
がたん、ごとん、と電車の音を聞くのが好きだった。雲を眺めながら転がって、その車輪の悲鳴まで。
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#フォロワーさんをイメージして小説の書き出し一文
ずさっと音がした。何処かで本の山が崩れた音である。のろのろと首を回して後ろを見遣ると、春の和らぎはじめた陽光の中に一つの本が開かれて落ちていた。
しろくまの毛は本当は透明で、あの白く見えているのは光の反射とかそういうものの所為らしい。そんな要らん知識を披露してくれたのはどうしようもない後輩だった。
アイスクリームを買った。冬のものすごく寒い夜のことだった。ひんやりした空気の所為で月が落っこちて来そうで、その中でどうしてもアイスクリームを食べねばならないという使命感に襲われた。
レンタルビデオショップの一番奥にはかいぶつが住んでいるんだよ。そんなのが親の作った苦し紛れの嘘だなんてもうとっくに知っている。知っていて尚、何故か未だ其処へは足を踏み入れてはいけない気分になる。
言葉というのはこんにゃくみたいに曖昧で本当にどうしようもないものだ。盛大にため息を吐きながら目の前のケーキに、親の仇か何かのように勢い良くフォークをぶっさした。
水面を眺めていると何かが不規則に煌めいた。それはわかったのだがあまりにもぼんやりしていたので、それ以上のことは分からなかった。陽射しの痛い、夏の日のことである。
女の子というのはお砂糖とスパイスと…他は忘れたけれどもそういうなんとなく可愛らしいもので出来ているらしい。そう考えると今食べているこの可愛らしいケーキもまた、その一部になっていくのだろうか。
生きることとは戦争だ。誰にも譲れない戦争だ。まだ赤いスカーフの煌めく年齢で、此処まで頑なに戦いを望んでいる人間も少ないかもしれない。そんなことを思いながら鞄を武器のように掴む。
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#いいねしてくれたフォロワーさんをイメージした同人誌のタイトル考える
コルコバードの海にてお逢いしましょう
花咲通り三丁目の生活
神様のいちごジャム
僕の女神の創造について
十三歳の庭
双六日和
春と夏のあいだのこと
東京は青く燃えない
爪が残るくらいがちょうどいい
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#リプしたフォロワーをイメージして小説の出だし書く
例えば君が偶像というものに成り果てたとする。美しいと、素晴らしいと、そういう言葉だけを掛けられるものになったとする。もしもの話だが君がそうなってしまったとしたら僕は君を嫌悪することだろう。僕にとっての君の価値とはそういうもので、それ以外の君など
十八歳の頃の私から手紙が届いた。けれどもそれの宛名は私ではない。何度も何度も消されたあとのあるそのでこぼこに、私は心当たりがあった。この宛先は、最終的にゴミ箱になったはずだった。憧れの、同級生に。最後の最後で玉砕しよう、なんてそんな夢を見ていた少
ふわり、ふわりと虹が舞っている。あの下には宝物が眠っているんだよ、とそんなことを言ったのは一体誰れだったかな。あたしはそんなことも思い出せないで、でもそれはきっと大切な記憶だと分かっていたから、まだ小雨の止まない世界に飛び出したのだ。赤い傘に赤い長靴、赤
しとしとという雨がふっていました。どうやらわたしのだいすきな人は雨がすきではないようです。ごめんね、とよくあやまられます。しかしわたしはいいですよ、と答えるのです。雨というのは好きです。たとえ外に出る機会が減ったのだとしても、その匂いはなにか、とてもたいせ
なんてことない日だった。空は晴れていたし朝の目玉焼きは上手く出来たし、占いだって良い結果で信号機にも引っかからないで。お気に入りのネイルは綺麗にできたし、香りも服装もぜんぶばっちりと、そう言えたのに。全部投げ出す勢いで私は結局今走っていて、どうやらその先にあ
血なまぐさいことだとか、残酷なことだとか、どうして平気なのと聞かれることがある。それに時々わざとらしく首を傾げてやって、どうしてだろうね? と笑ってみせることもある。そうするとどうやら何か勝手に勘違いした輩がさっと血の気の引いた顔を晒して逃げていっ
不幸だとか幸福だとか、それは言葉のくくりに過ぎなくて、結局のところそれらはおんなじものなのだと、わたしはそう考えていた。鏡の中のうつくしいかんばせがうん、とわたしに同意する。そうだ、彼らはおんなじものなのだ、わたしたちがちゃんと、彼らの手を繋いでいてやれないだけ
静かな空間なんてものはどこにもないと、私はそれを生まれた時から知っている。知っているのに、求めている。この鼓動の音すらも煩わしいなんて言ったら、冗談だと思われて笑われたけれども。この鼓動を止める訳にはいかない、だから私は代わりに最高で最低の音を探しにいくことに
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定期的にやりたいですね、イメージなんとか。遡るとイメージSS書いててバイタリティ…となりました。